脳神経外科

まるがめ医療センター脳神経外科 診療内容のご紹介

脳神経外科

まるがめ医療センターは地域医療全体(地域包括ケアシステム)の中で「重症・中等症急性期疾患と担当する急性期病院」と「慢性期・在宅患者を担当する自宅生活者・かかりつけ医・介護老人保健施設、居宅系介護施設・介護サービス事業所」の間で「軽症急性期と回復期機能」の役割を果たしており、両者の橋渡し(連携)を担っています。そのために地域連携室が設置されており、医療・介護施設の豊富な情報とネットワークを活用して円滑な連携を推進しています。まるがめ医療センターは「在宅療養支援病院」の施設基準を取得しており、特にかかりつけ医・介護老人保健施設、居宅系介護施設・介護サービス事業所など在宅、介護関連施設と連携にはできるだけ対応してい行く方針です。

脳神経外科も地域包括ケアシステムの中で診療しています。高齢者で多疾患併存(複数の病気をもっている)していることが多く、やみくもの全てを治そうとすのではなく、皆さまの生活を支える医療をめざしています。


1.在宅・かかりつけ医・介護老人保健施設、居宅系介護施設・介護サービス事業所からの受診・救急受け入れ要請サブアキュートにはまず外来できるだけ対応しています。診察・CT,MRIなどでの検査結果、1)薬剤治療でよい場合には投薬後にお帰りいただき、2)軽症だが入院が必要な場合には地域包括ケア病棟に入院治療をさせていただきます。一方3)重症・中等症で手術あるいは集中治療室での治療が必要な場合には急性期病院に連絡し、受け入れを要請します。またかかりつけ医からのCT・MRIの検査依頼は地域医療連携室から予約していただき、検査当日に所見用紙・返書・画像を入れたCDをお返しできるようにしています。

2.急性期病院で急性期医療を終えた時点で麻痺などで在宅復帰できない場合ポストアキュートには地域連携室に患者情報提供とともに転院要請をしていただき、急性期病院・患者(家族)・当院の三者で協議し、転院する最適な日時・病棟を決めます。病棟はリハビリテーションが中心の場合には回復期リハビリテーション病棟、医療が中心の場合には地域包括ケア病棟を選択します。

3.入院中に必要に応じて介護認定、身体障害者認定を受け、退院後に備えます。できるだけ自宅へ帰っていただけるように努めます在宅復帰支援。もし病状・自宅の状況・家族の受け入れ体制などで在宅復帰が困難な場合には介護老人保健施設、居宅系介護施設・介護サービス事業所などの介護関連施設、療養病床を有する医療機関、病態が該当る場合には当院の障害者病棟など、転院先の情報を提供いたします。

脳神経外科:外来診療について

脳神経外科は脳や脊髄などの神経をつかさどる中枢神経系の疾患を取り扱います。主な疾患は脳血管障害(出血・梗塞など)、脳腫瘍、外傷、頭痛・顔面痛、認知症などです。脳神経外科で取り扱う疾患には救命救急的なケースもありますが、頭痛やめまい、転んで頭を打って心配といった、日常的な訴えも多くあります。また、物忘れやなんとなく手足が上手く動かない、といった些細な自覚症状が、実は大きな病気の兆候だったということもあります。人間の体の司令塔でもある、脳などの中枢神経を専門に取り扱う脳神経外科は、内科や外科などの外来から、患者さんが紹介されて受診されるケースも多くあります。しかし、例えば頭痛やめまい、手足のしびれや、頚部(あたまから首筋にかけて)あたりに痛みが出るなどの症状があり、もしかして脳の病気かも、と思うことがあれば、一度脳神経外科を受診してください。できるだけ受診日にCT、MRIなどの検査を行い、迅速に診断結果をお伝えできるよう努めております。

脳卒中の危険因子のうち高血圧、脂質異常症は脳神経外科で、心房細動は当院循環器内科で、糖尿病は総合内科で継続治療しています。特に高血圧の管理は重要で、脳卒中発症時の血圧が脳出血では80%が180mmHg以上、脳梗塞でも80%以上が140mmHg(平均160.1mmHg)です(資料1)。また血圧を含む危険因子を管理することで脳卒中を80%抑制できることが推測されています(資料2)。

このように気になる症状がある方、高血圧などが気になる方は一度脳神経外科を受診されることをお勧めします。

脳神経外科外来診療日

月曜(毎週)14:00-17:00藤本 俊一郎
火曜(毎週)9:00-12:00 合田 雄二
金曜(第2,4週)14:00-17:00藤本 俊一郎

代表的な脳神経外科症例

1.慢性期・在宅からの受入れ(①サブアキュート・②受入れ要請)

2か月前に頭部を打撲し、元気に過ごしていたが一週間前から転棟を繰り返し、意識障害がでてきたため救急車で来院(①サブアキュート)CTで右慢性硬膜下血腫と診断。
⇒直ちに急性期病院に受入れと手術を依頼した(②受入れ要請)。

体格もよく元気な方が、1か月前から歩行時のふらつき出現し、増悪するため外来受診
(①サブアキュート)し、左小脳腫瘍と診断。
⇒直ちに急性期病院に紹介受診と手術を依頼した(②受入れ要請)

2.急性期病院で急性期治療を終え、回復期治療のため当院に紹介転院後(③ポストアキュート)、リハビリテーションで在宅復帰(④在宅復帰支援)

日頃より高血圧を指摘されていたが放置していたが、高血圧性右視床出血による左片麻痺をきたし急性期病院に搬送され、1か月間の急性期治療を受けた。麻痺に対するリハビリテーションと血圧管理のため当院回復期リハ病棟に紹介入院(③ポストアキュート)
⇒2か月のリハビリテーションで自立歩行可能となり、自宅退院した。公安委員会への書類作成し、運転許可を得た(④在宅・職場復帰支援)

不整脈で治療を受けていた。県外で意識消失し頭部を強打し脳挫傷、硬膜下・クモ膜下出血を発症し、急性期治療とペースメーカー装着を受け意識の回復を待って当院地域包括ケア病棟に紹介入院した(③ポストアキュート)
⇒2か月入院加療後自宅退院した( ④在宅復帰支援) 。かかりつけ医と当科を外来受診している。

脳卒中急性期の収縮期血圧

(資料1)

脳卒中急性期には血圧が上昇

脳出血では80%が180mmHg以上
脳梗塞でも80%が140mmHg以上

危険因子の同時治療により脳卒中を約80%抑制できると推測される

(資料2)

脳卒中の発症抑制には危険因子の同時治療が有効

Polypill戦略:多因子同時介入による脳・心血管疾患の抑制

藤本 俊一郎(名誉院長)

資格

脳神経外科専門医(1979~2023)
脳卒中専門医(2004~)
リハビリテーション認定臨床医(2010~)

コメント

これまでの経験を活かし、多職種によるチーム力で皆様を支える医療をめざします。どのようなことでもご相談ください。

合田 雄二

資格

脳神経外科専門医
脳卒中専門医

コメント

患者さん一人ひとりに合わせた診療を心掛けています。脳卒中をはじめ、頭部に関するお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。